授受表現「くれる/くださる」③
「くれる/くださる」
「与え手」が/は + 「受け手」(「に」など) + 物を + くれる。
例)マリさんは 私の妹に 絵本を くれました。
●「受け手」(私/ウチ)は、文脈や状況で
明らかな場合は、省略されます。
例)先生は (私に) 辞書を くださいました。
●主語、主題については、「は」が用いられます。
「くれる」では、誰が「私に」くれたのかが、重要です。
そのため、主語選択を表す「が」がよく使われます。
例)陳さんが この花束を くれたんです。
「くれる」の制約
●主語は 話し手(私)以外の人です。
●受け手は、常に「私」か話し手のグループ(ウチ)の人です。
「くれる」には以下の2パターンがあります。
①「ソト」から「ウチ」へ
「ソトのグループの人」は/が + 「ウチのグループの人」(「に」など) + くれる
*「ウチのグループの人」:私、家族、私の友達・私の会社の人など
例)見知らぬ人が (私に) ティッシュペーパーを くれた。
②遠い「ウチ」からより私に近い「ウチ(私)」へ
遠い 近い
会社の人 > 私の友達 > 家族 > 私
①会社の人→ 私 ④会社の人 → 私の友達
②私の友達 → 私 ⑤私の友達 → 家族
③家族 → 私 ⑥家族 → 私
例① 会社の同僚が (私に) お菓子を くれた。
例② 友達が (私に) お菓子を くれた。
例③ 姉が (私に) お菓子を くれた。
例④ 会社の同僚は 友人のマリさんに 映画のチケットをくれた。
例⑤ 友人のマリさんは 妹に 映画のチケットをくれた。
例⑥ 兄は (私に) 映画のチケットをくれた。
●話し手の「ソト」から「ソト」に、物が移動する場合は
「くれる」は 使えません。
「あげる」を使います。
×見知らぬ人が 外国人らしき子供に お菓子を くれていた。
○見知らぬ人が 外国人らしき子供に お菓子を あげていた。
>>「やる/あげる/さしあげる」②をご覧になりたい方は こちらをどうぞ。
>>「もらう/いただく」④をご覧になりたい方は こちらをどうぞ。
ではでは ニゴでした。