授受表現・助詞の問題
「あげる・もらう・くれる」物の授受表現の助詞
わたしは | → | 目上の人 | に | さしあげました |
→ | 友達、父、母など | に | あげました | |
→ | 目下の人、弟、妹、植物、動物など | に | やりました |
わたしは | ← | 目上の人 | に/から | いただきました |
← | 友達、父、母など | に/から | もらいました | |
← | 目下の人、弟、妹、植物、動物など | に/から | もらいました |
目上の人 | → | わたし | に | くださいました |
友達、父、母など | → | に | くれました | |
目下の人、弟、妹、植物、動物など | → | に | くれました |
上記の表からもわかるように、
物の授受表現「あげる・もらう・くれる」の文は「~(人)に」をとります。
そこで、助詞の誤用はあまりありません。
●「もらう」は「に」と「から」をとります。
詳しくはこちらをご覧ください。
>>授受表現「もらう・いただく」④
「~てあげる・~てもらう・~てくれる」行為の授受表現の助詞
「~てあげる」「~てくれる」の助詞
「~てあげる」
例(1)私は キムさんに日本語を 教えてあげました。
例(2)私は キムさんのカバンを 持ってあげました。
例(3)私は キムさんを 案内してあげました。
例(4)私は キムさんの弟と 遊んであげました。
例(5)私は キムさんから 絵を 買ってあげました。
「~てくれる」
例(1)田中さんは (私に)日本語を 教えてくれました。
例(2)田中さんは 私のカバンを 持ってくれました。
例(3)田中さんは 私を 案内してくれました。
例(4)田中さんは 私の弟と 遊んでくれました。
例(5)田中さんは 私から 絵を 買ってくれました。
「~てあげる」「~てくれる」は、いろいろな助詞をとります。が、
●基本的には、補助動詞「~てあげる・~てくれる」に先行する本動詞
(「持ってあげる」の持つ)
に、伴う助詞を用います。
例(1)私は キムさんに日本語を 教えてあげました。
「私はキムさんに日本語を教えました」+「~てあげる」
例(2)私は キムさんのカバンを 持ってあげました。
「私はキムさんのカバンを持ちました」+「~てあげる」
例(3)私は キムさんを 案内してあげました。
「私はキムさんを案内しました」+「~てあげる」
例(4)私は キムさんの弟と 遊んであげました。
「私はキムさんの弟と遊びました」+「~てあげる」
例(5)私は キムさんから 絵を 買ってあげました。
「私は キムさんから 絵を 買いました」「~てあげる」
●「~(人)+ 助詞」をとらない文もあります。
例(1)個展で、田中さんは友達が作った作品を買ってあげた。
例(2)(写真撮影で)後ろの人もきちんと映るように、
前の人は中腰になってあげた。
この場合も、補助動詞「~てあげる」を付けるもとの文に
<例(1)個展で田中さんは友達が作った作品を買った>
<例(2)前の人は中腰になった>
「~(人)+ 助詞」がないからです。
「~てもらう」の助詞
例(1)友だちに 京都へ連れて行ってもらった。
例(2)友だちに 日本語を教えてもらった。
例(3)友だちに 大学を案内してもらった。
●「~てもらう」は、常に「~(人)に」をとるので、問題はありません。
「みんなの日本語」の授受表現のとる助詞
授受表現の助詞は、もとの文によって、いろいろとれます。
しかし、「みんなの日本語」やほかの多くのテキストは、
「に」「を」「の」に絞って、例文を提出しています。
●「みんなの日本語」第41課の例文
部長は 私に 旅行の写真を 見せてくださいました。
部長は 私を 駅まで送ってくださいました。
部長は 私のレポートを 直してくださいました。
ではでは ニゴでした。