格助詞について
助詞の復習
前回は
助詞全体について俯瞰してみました。
1.助詞の特徴
2.助詞の役割
3.助詞の種類
等です。
前回の文
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前回
助詞を5種類に分けました。
①格助詞
②接続助詞
③取り立て助詞(副助詞)
④終助詞
⑤複合格助詞(=助詞相当語)
格助詞
今回は
①の格助詞について見ていきます。
格助詞の役割は
文中の構成要素の意味関係を表すことです。
具体的に言うと
文 ⇒ ①日曜日に②友達と③鎌倉へ④行きました。 |
この文を構成する要素は
①日曜日に ②友達と ③鎌倉へ ④行きました
の四つです。
格助詞は
①②③の構成要素と述語④(=行きました)との
意味関係を表します。
格助詞の役割とは
格助詞は
文の中の構成要素と述語との意味関係を表します。
格助詞は
日本語の文法項目の中で特に大事なものです。
まずは、
「文の中の構成要素と述語との意味関係を表す」とは
どういうことなのか、もう一度見ていきましょう。
文の分類
日本語の文は三種類に分けられます。
①動詞文 ②形容詞文 ③名詞文
の三種です。
①動詞文の例
•きのうプールで泳いだ。
②形容詞文の例
•今日の空はとても青い。
③名詞文の例
•彼の専門は法律だ。
日本語では
文の最後に述語が来ます。
そこで、
①を動詞述語文
②を形容詞述語文
③を名詞述語文
とも言います。
格助詞の役割
(例)日曜日に / 友達と / 鎌倉へ / 行った。
(名詞) (名詞) (名詞) (述語)
日本語の文は
様々な名詞と述語の組み合わせからできています。
格助詞は
それぞれの名詞の後ろにくっついています。
(例)日曜日に 友達と 鎌倉へ 行った。
つまり
格助詞は名詞の後ろにくっついて、
その名詞が述語とどんな関係にあるのかを示しています。
格助詞があるために
日曜日、友達、鎌倉、といった名詞が
いつ行ったのか、
誰といったのか、
どこへ行ったのか、
という意味を表しているとわかります。
格助詞の定義:
「文の中の構成要素と述語との意味関係を表す」とは
このことを示しています。
格助詞
日本語の格助詞は(諸説ありますが)9つあります。
(1)が(2)を(3)に(4)で(5)へ
(6)より(7)から(8)まで(9)と
*「鬼までが夜からデート」する
といった語呂合わせで覚えたりします。
お / に / まで / が / よる / から / デ / - / ト /
↑ ↑ ↑ ↑ ↑
を より で へ と
格助詞の用法
格助詞は9つしかないので、
一つの格助詞がいくつもの意味を表すことになります。
ここで格助詞の主な用法をまとめておきます。
(以下は『日本語教育のための文法用語』からの引用です)
1.「が」
(1)動作や状態の主体
①子供が遊んでいる。
(2)状態の対象
①私はパンダが好きだ。
2.「を」
(1)動作・作用の対象・目的
①英語の新聞を読む。
(2)通過の場所や経過点
①毎朝公園を散歩している。
②二つ目の角を曲がってください。
(3)出発点・起点
①部屋を出ないでください。
3.「に」
(1)存在・所有の場所・位置
①居間に大型スクリーンがある。
②私には妹が3人いる。
(2)時
①夕べ10時に寝た。
(3)移動の到着点
①タクシーに乗りましょう。
②ここに座ってもいいですか。
(4)動作・作用の対象・相手
①あした社長に会います。
②友達にCDをあげた。
(5)動作・作用の源
①友達に絵ハガキをもらった。
②夕べ父親にしかられた。
(6)移動の目的
①今から買い物に行きます。
(7)基準
①私のアパートは駅に近いんです。
②一か月に一回出張がある。
(8)原因・結果
①お金に困っているんです。
4.「で」
(1)動作・作用の場所
①昨日あの店でラーメンを食べた。
(2)手段・方法・道具・材料
①はさみで切ってください。
②この服は紙でできている。
(3)範囲
①私の国では漁業が盛んです。
(4)限度・期限
①一週間でできますか。
②これは100円で買いました。
(5)原因・理由
①地震で電車が止まった。
5.「へ」
(1)動作が向けられる方向・場所・相手
①夏休みにハワイへ行った。
②国の家族へ手紙を書いた。
6.「と」
(1)動作の相手を示し、「~と一緒に」という意味を表す
①今晩家族と食事をします。
(2)引用
①彼女は今日来ないと言っていた。
②アラビア語は難しいと思う。
(3)例を挙げて具体的に説明する
①カタール、サウジアラビア、クウェートと
アラブ諸国がこぞって反対している。
7.「から」
(1)出発点・起点
①ミーティングは午後一時から始まります。
②アパートから学校まで一時間かかる。
(2)受け取り動作の相手・出所
①小林さんから時計を借りた。
(3)物事の原因・発端
①ちょっとした油断から失敗することが多い。
(4)判断の根拠
①調査の結果から見て、次のようなことが言える。
(5)原料
①醤油は大豆から作ります。
8.「まで」
(1)時間・場所・物事の限度
①アパートから学校まで一時間かかる。
②バーゲンセールはあしたまでやっています。
9.「より」
(1)起点・出所
①ロシアより愛をこめて。
(2)比較
①ファックスよりメールの方がいい。
ではではニゴでした。