「~ので(理由)」(「~から」との比較)

「~ので」の意味・用法

「~ので」「~から」は理由を表す代表選手です。

ここでは「~ので」について、お伝えしていきます。

(1)きのうは残業したので、帰りが遅くなった。
(2)まだ、学生なので、映画は安く見られます。
(3)全員そろったので、ミーティングを始めます。
(4)ここは、今評判のお店なので、予約が難しいはずです。

(1)(2)は、後件の事柄の理由、
(3)(4)は、(後件の)話し手の判断の根拠、
を表しています。

「~から」は、自身の主張を強く述べたいときに出やすい表現ですが、
「~ので」は、自身の主張をあまり表に出したくない時に使います。

(5)この本は、具体例が豊富なので、理解しやすい。
(6)この部屋は、日当たりがよく、駅から近いので、家賃が高い。

「~から」は、話し言葉に使いますが、
「~ので」は、上記のように(雑誌からの引用)、
書き言葉にも使われます。

(7)彼はお金がないので、外食はしない。

「~ので」は、「~のだ」の中止法からきているので、
はっきりと断定できる、確実性を持った条件形式です。

(8)今日は道が混むだろう{○から/×ので}早く出発しよう。

「~ので」には、(8)のように、
不確かなことを表す「~だろう」は使えません

(9)日曜日は道が混むので、電車を利用します。

「~ので」を使うときは(9)のように、事実関係を論理的に表す文になります。

「~から」は、後件の文に、いろいろな意志表現を取ることができました。

「~ので」は、「~から」と比べると、客観性、確実性の高い表現です。
後件の文が、強い意志を表すときは、「~から」のほうが、自然です。

(10)時間がない{○から/×ので}、急げ。
(11)危ない{○から/×ので}、触るな。

ただし、後件の文が丁寧形のときは「~ので」も使えます。

(10’)時間がない{○から/○ので}、急いでください。
(11’)危ない{○から/○ので}、触らないでください。

(10)(11)のような文は話し手の気持ち(自己主張)が強く出る表現ですが、
(10’)(11’)のように、丁寧形にすると、相手への配慮が入るので、
使えるようになります。

「~ので」の前にくる語の形

「~ので」の前に来る語は普通形をとります。
ナ形容詞「元気なので」と名詞「休みなので」は
学生が間違えやすいので、気を付けてください。

(12)普通形+ので、普通形:このマフラーは肌触りがいいので、
気にいっている
(13)普通形+ので、丁寧形:このマフラーは肌触りがいいので、
気に入っています

(12)は普通体、(13)は丁寧体です。
(13)の丁寧体を表す文でも、「~ので」の前は、普通体が来ます。

理由を表さない「~ので」

「~から」同様、直接的な理由を表さないことがあります。

(14)冷蔵庫にケーキが入っているので、おやつに食べてください。
(15)机の上にあるので、取ってきてください。

(14)(15)のように、後件の文に「依頼」などを使って、
相手に何かを頼むときに多く使います。
(14)は「冷蔵庫にケーキが入っている」ことをもとに、「食べて」とお願いしています。
(15)は「机の上にある」ことをもとに、「取ってきて」とお願いしています。
これは、「お願いするにあったての、根拠・条件」を示しています。

終助詞的用法の「~ので」

「~から」ほど多くありませんが、
「~ので」も、終助詞的に使われることがあります。

(16)(会議で、コピーが一部足りない)すぐ、コピーしてきますので。(・・・・・・)
(17)(会議終了時間になってしまったが、すべては終わらなかった)
あとは、私がやっておきますので。(・・・・・・)

この「~ので」も、直接的な理由を表しているとは、言えません。
が、(・・・・・・)の箇所を考えてみます。

(16)(会議で、コピーが一部足りない)すぐ、コピーしてきますので。(少々お待ちください。)
(17)(会議終了時間になってしまったが、すべては終わらなかった)
あとは、私がやっておきますので。(どうぞ、お先にお帰りください。)

このように、(・・・・・・)内の文を考えてみると、
「~ので」は、「お願いするにあったての、根拠・条件」を示しているともいえます。
【理由を表さない「~ので」】と、同じと言えるでしょう。

終助詞的用法の「~ので」は、
後件の文を言わないことによって、聞き手に
自分のメッセージや気持ちを伝えています。

「~から」をご覧になりたい方は、コチラです。
>>「~から」(理由)
「~から」と「~ので」の違いを、もっと知りたい方は、コチラです。
>>「~から」vs「~ので」

ではでは ニゴでした。

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