説明表現「~んです」「~のです」の誤用Ⅰ

いい誤用と悪い誤用

日本語学習者は、一歩一歩文型の意味・用法を理解し、
使えるようになる練習を積み重ねていきます。

様々な文型を習得していく過程で、誤用はどうしても出てきます。
語学上達には、間違えは必要不可欠、間違えを訂正しながら
正しい日本語を身につけていきます。

誤用には、いい誤用(1)と、悪い誤用(2)があります。

(1)問題が少ない誤用
単なる文法的な間違え

(2)できるだけ避けたい誤用
ある文法の間違えが、話し相手の気分を害してまうような誤用

(2)のような誤用は、対人関係に悪影響を与えてしまうこともあり、
クラスレッスンの中で、適切に指導していくことが大切です。

「~んです」の誤用は、(2)の誤用を犯しやすく、注意が必要です。

●「~んです」には、非難する、詰問する、という意味用法もあるので、
対人関係に影響してしまう誤用になりやすいと言えます。

その用法をご覧になりたい方は、コチラをどうぞ。
>>説明表現「~んです」「~のです」(2)

説明表現「~んです」「~のです」の誤用例(1)

(1)A:日本の新聞を読みますか?
B:いいえ、読みません。
漢字が読めないですから

(2)頭が痛いですから、早く帰ってもいいでしょうか。

●「~んです」は理由を述べるときに使います。
そこで、「~んです」と理由を表す「~から」を
両方使うことはできません。
どちらか一つをとるように指導しましょう。

説明表現「~んです」「~のです」の誤用例(2)

学生:先生、今日はとてもうれしかったんです。
先生:そうですか。(何が嬉しかったの????)

「~んです」は自分の気持ちを主張したい時によく使います。
しかし、「~んです」を使って、自分の気持ちを述べるときには、
その<前提>が必要です。

この学生は、「気持ちを述べるときに使う」
ということだけを覚えていたのでしょう。

この文は、うれしかった理由=<前提>が述べられていないので、
聞き手は「何がうれしかったの?」と、
この文を聞いたときに、とても唐突な感じがしてしまいます。

学生:先生、今日はキムさんに会えて、とてもうれしかったんです。
先生:そうですか。よかったですね。

このように、理由=<前提>を述べれば、自然な文になります。

「~んです」を使うときには、理由(前提)を言うように指導しましょう。

●ここでは、<(1)問題が少ない誤用>
について、例をあげてきました。

次回は<(2)できるだけ避けたい誤用>
について、考えてみたいと思います。
>>説明表現「~んです」「~のです」の誤用Ⅱ

ではでは ニゴでした。

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