ニュースを使って(2)
ニュースを使った具体的な勉強方法
到達度をどこに設定するのか
ニュースが100%聞き取れる必要は全くありません。
おそらく日本人でさえ、100%は聞き取れていないはずです。
そこで、トランスクラブ(音からの速記)は、しなくていいのです。
私はよく、TVドラマを教材に使います。
ドラマでさえ、文字をおこそうとすると、
聞き取れていない部分が、かなりあることに驚かされます。
学習者には、
日常生活に役立つスキルトレーニングこそ必要です。
私たちはテレビなどのニュースを
清聴することはありませんよね。
むしろ清聴より大切なのは、
枝葉末節を切り捨てることのできる能力です。
一つのわからない言葉に拘泥していると、
全体の意味がとれなくなります。
わからない言葉を、聞き流すといったスキルは
非常に大切です。
このニュースは何を伝えているのか、といった
要点を聞き取れれば、OKです。
何が聞き取れればいいのか
ニュースにおいては、
「5W1H」が重要となります。
そこで、聞く前に
いつ、どこで、誰が、
何をしたのか、
どうしてそれをしたのか、
どうやってそれをしたのか、
こういったことを、聞き取るように指示します。
ニュースを聞かせるときの注意点(1)
一度全体を通して聞かせましょう。
(*クラスのレベルによって、回数は調整します)
数字が多く出てくるニュースは、
メモを取ってもよいことを伝えます。
数字を覚えておくことは、
負担が大きいものです。
そのために他の聞き取るべきことに
集中できなくなってしまいます。
なるべく、こうした負担は減らしましょう。
ニュースを聞かせるときの注意点(2)
(1)では、なるべく学生の負担を減らそうと
お伝えしました。
ただし、映像つきのニュースでは
映像を見せることは、NGです。
視覚で得られる情報量は驚くほど多いのです。
映像を見せてしまうと、
聞いて分かったのかどうか
わからなくなってしまいます。
映像は、最終段階になってから見せましょう。
ニュースを聞かせるときの全体の流れ
ステップ1:ニュース全体を通して聞かせる。
ステップ2:聞き取れた内容を言わせてみる。
ステップ3:5W1Hを言わせてみる。
ステップ4:ニュースに関連のあることを自由に言わせてみる。
ステップ5:スクリプトを渡し、キーワードを書き込ませてみる。
ステップ6:キーワードを次の授業で復習として使う。
ニュースの難度がクラスのレベルよりも高い時(1)
今日のニュースは、
「このクラスには少し難しいなあ」
ということも多々あると思います。
そういう場合には、
ニュースを聞かせる前に、
ウォーミングアップが必要となります。
例えば、
今日のニュースに出てくる内容について、
事前に話し合ったり、
わからないと思われるキーワードを
知らせておいたりします。
語彙リストを渡してしまうのも、
一つの方法です。
その時には必ずルビを振りましょう。
ニュースは音から入りますから。
ニュースの難度がクラスのレベルよりも高い時(2)
まず、全体を通して聞かせます。
そこで、学習者の反応を観察します。
ニュースの難度が高いので、わからない時には、
文ごとに区切って聞かせましょう。
区切って文を聞いたら、その文の解説。
また、次の文を聞き、その文の解説。
このように、スモールステップで
聞いていくことがポイントです。
最後は必ず、全体を通して聞かせましょう。
リードのないニュース
ニュースによっては、唐突に始まるものもあります。
このニュースにどうして始まったかの、プロセスが抜けているのです。
こういう場合には、教師がウォームアップとして、
この部分の解説をしましょう。
この続きはニュースを使って(3)をご覧ください。
ニュース教材を使うときのポイントはこちらをご覧ください。
ではでは ニゴでした。