逆接の表現「~ても」
「~ても」の作り方
[ 動詞ーて ] + も、 。 | 食べても、 |
[ 動詞ーなくて ] + も、 。 | 食べなくても、 |
[ い形容詞ーて ] + も、 。 | 忙しくても、 |
[い形容詞ーなくて]+も、 。 | 忙しくなくても、 |
[ な形容詞ーで ] + も、 。 | ひまでも、 |
[な形容詞ーなくて]+も、 。 | ひまじゃなくても、 |
[ 名詞ーで ] + も、 。 | 休みでも、 |
[名詞ーなくて ] + も、 。 | 休みじゃなくても、 |
「~ても」の意味
「~ても」は逆接の意味を表します。
1、仮定的逆接
(前件) ても、 (後件) 。
逆接とは、前件から予想されるのとは反対のことが、
後件に来るということです。
初級では「~たら」と比較して考えると分かりやすいでしょう。
・雨が降ったら、試合は中止します。
・雨が降っても、試合は中止しません。「雨が降る」と仮定します。
⇒ たら=この仮定通りに考えると ⇒ 中止します
⇒ ても=この仮定と逆の考え方をすると ⇒ 中止しません
この仮定的な逆接が、「~ても」の典型例です。
・もし、雨が降っても、試合は中止しません。
このように、「もし」と一緒に使うこともできます。
2、事実的逆接
(1)薬を飲んでも、熱が下がりません。
(2)たくさん食べても、太りません。
この「~ても」は、仮定のことではありません。
「薬を飲んでも」は、既定の事実です。
この「AてもB」は、すでに成立したAから
予想していなかったBが、起こることを表します。
この事実的逆接は、予想していなかったことが起こるので、
「あれ?」と思います。
ここが、「~のに」と、混乱しやすい原因となります。
「~ても」の使い方
1、「~ても、~ても」
「~ても」を繰り返して使えます。
(1)雨が降っても、風が吹いても、試合は行われます。
(2)待っても待っても、帰ってこない。
(3)コーヒーを頼んでも、頼まなくても、料金は同じです。
2、「~ても~ても」の形は、「疑問詞 + ~ても」の形でも使います。
(1)雨が降っても、風が吹いても、試合は行われます。
↓
何が起こっても、試合は行われます。
(2)待っても待っても、帰ってこない。
↓
いくら待っても、帰ってこない。
(3)誰が首相になっても、同じです。
(4)何回練習しても、覚えられない。
*この疑問詞は、もちろん疑問の意味で使っているのではありません。
「どのような条件でも、後件のような結果になる」ことを、表しています。
3、後件の文末に、いろいろな意志表現が使えます。
(1)両親に反対されても、続けなさい。
続けたい。
続けよう。
「~ても」と「~のに」の使い方
(1)時間があっても、行きません。
(2)時間があるのに、行きません。
(1)「~ても」の文は、前件が成立するかどうか、わからない、
仮定的な逆接です。
(2)「~のに」の文は、前件が成立している、あるいは
成立すると分かっている、
事実的な逆接です。
「~ても」は、仮定的な逆接に使うことが多いです。
「~のに」は、事実的な逆接にしか使えません。
「~ても」と「~のに」の意味
「~ても」は、単なる逆接条件を表す時に多く使います。
「~のに」は、「非難」「驚き」など、言外の気持ちを表したい時に使います。
「~のに」については、こちらに、もう少し詳しく書いてあります。
「~ても」と「~のに」は、学生がよく混乱してしまう表現です。
こちらで、「~ても」と「~のに」の使い分けについて
考えてみました。どうぞご覧になってみてください。
ではでは ニゴでした。