助詞
助詞・まとめ
*「まとめ」の次に、解説を記しました。
解説からご覧になりたい方は
「まとめ」をとばしてください。
1.助詞の特徴
付属語で活用しない。
2.助詞の役割
語と語、語と述語、文と文の関係を表し、言葉に意味を付け加える。
3.助詞の種類
①格助詞
②接続助詞
③取り立て助詞(副助詞)
④終助詞
(+⑤複合格助詞=助詞相当語)
4.助詞は重ねて用いることもある。
助詞とは・解説
ここからは助詞について、もう少し詳しく見ていきます。
1. 助詞の特徴
(例)去年から大学で日本文学を学んでいる。
「から」「で」「を」が助詞です。
< 去年 + から / 大学 + で / 日本文学 + を >
•上記のように、
助詞は他の語の後ろに付けて使います。(付属語)
(例)夕焼けがきれいですね。
(例)お風呂に入ってから、寝ます。
•上記のように、
助詞は名詞以外の語にもつきます。
<きれいです + ね > < 入って + から >
•助詞は
文中で形が変わることはなく、常に「から」「で」「を」・・・
このままの形で使います。(助詞は活用しません)
2. 助詞の役割
助詞の意味(1)
<①語と語の関係性>
(例1)トムさんとアンさんが教える。
(例2)トムさんがアンさんに教える。
(例3)トムさんにアンさんが教える。
(例1)から(例3)を見ると、助詞を変えるだけで
トムさんとアンさんの関係性が変化します。
また、意味も全く違ってしまいます。
このように助詞は
語と語がどんな関係にあるのかを表すことができます。
<②語と述語の関係性>
以下の文のように、助詞があるので
語と述語が
どんな関係にあるのかがわかります。
語 述語
トモさんが(主体)¦
友達と(同伴者) ¦ 行きました。
鎌倉へ(方向) ¦
カフェで(場所) ¦
友達と(同伴者) ¦ 食べました。
ケーキを(対象) ¦
助詞の意味(2)
(例1)そのケーキを食べる。
(例2)そのケーキも食べる。
(例3)そのケーキを食べるな。
(例1)から(例3)を見てもわかるように、
助詞は語に特別な意味を付け加える働きをしています。
3. 助詞の種類
現代の日本語文法における助詞は
その役割によって、以下の四つに分類されています。
①格助詞
②接続助詞
③取り立て助詞(副助詞)
④終助詞
(+⑤複合格助詞)
(注)分類方法は研究者によって異なります。
この四分類に
連体助詞(の)、並立助詞、間投助詞など
を加える場合もあります。
①格助詞
•日本語文法では以下の9つを格助詞としています。
「が」「を」「に」「で」「と」「へ」
「から」「まで」「より」
•格助詞は主に名詞の後ろにつきます。
•名詞と述語(文末の動詞・形容詞など)との関係を示します。
詳しくは以下の「格助詞」の記事をご覧ください。
→https://www.tomojuku.com/blog/kakuparticle/
②接続助詞
•接続助詞は
主に活用のある語について、
前の文と後ろの文をつなげます。
(例1)朝起きて、顔を洗います。
(例2)朝起きると、カーテンを開けます。
(例3)朝起きたら、雨が降っていました。
③副助詞(取り立て助詞)
•取り立て助詞は
いろいろな語について、特別な意味を付け加えます。
(例1)デザートは食べました。
(例2)デザートも食べました。
(例3)デザートだけ食べました。
(例4)デザートまで食べました。
④終助詞
•終助詞は
主に文末について、話し手の気持ちなどを付け加えます。
(例1)明日は学校へ行きますか。
(例2)明日は学校へ行きますね。
(例3)明日は学校へ行きますよ。
+⑤複合格助詞(助詞相当語)
(例1)在校生の代表として、送辞を読んだ。
(例2)このことは私にとって一生忘れられない思い出となりました。
(例3)この事件についてのコメントをお願いします。
•「~として」は
格助詞「と」と動詞「する」が組み合わされてできた複合語です。
•複合格助詞は「~として」のように、
格助詞と他の語(多くは「動詞+て」)が組み合わさり
全体として一つの格助詞のように機能します。
そこで、複合格助詞と呼びます。
•複合格助詞も格助詞と同じで、主に名詞の後ろについて
述語(動詞・形容詞など)との関係を表します。
•助詞相当語とも言われています。
•「~として」のほかに、
「~にもとづいて」「~にかけて」「~にそって」
「~にとって」「~について」「~に関して」・・・など
複合格助詞は非常に数が多く、中上級で学びます。
補足(1)連体助詞(の)
*以下は国立国語研究所の文法用語からの抜粋です。
【所有・所属】
①私の本 / 学校の先生
②日本の自動車産業
③弟の恋人
④ロシアからの手紙
【行為主体】
①偉人の業績(←偉人がなした業績)
②遺族の悲しみ(←遺族が悲しむ)
【属性】
①ひげの男(←ひげをはやした男)
②二十歳の人(←年齢が二十歳である人)
③シクラメンの花(←シクラメンという花)
【連体修飾節内の主語・対象語】
①母の作る料理(←母が作る料理)
②スペイン語のわかる人(←スペイン語がわかる人)
【同格を示す】
①社長の寺田さん(←社長である寺田さん)
②友達の雪子さん(←友達である雪子さん)
補足(2)並立助詞
•「父と母」「肉や野菜を買う」などのように
語と語、文と文を並べる助詞を並立助詞と言います。
【と】(語と語を並べる)
①父と母は二人で食事に出かけた。
②父と母とでその仕事をやった。
【や】
(たくさんあるものの一部を例として並べる)
①このアパートでは犬や猫は飼えません。
【とか】
(いくつかのもの・ことを、例として並べて示す)
①友達ならたくさんいます。
瞳さんとかみゆきさんとか・・・。
【に】
(類似しているもの・ことを重ねるように並べる)
①お弁当にサンドイッチはいかがですか。
【だの】
(いろいろなもの・ことを例として並べる)
①石鹸だの歯磨き粉などを売る。
【なり】
(同じようなものをいくつか示して、
そのどれからでも自由に選べることを表す)
①好きなのだったら、電話なり手紙なりで言ったらいい。
②気がすむなら、焼くなり煮るなりしてください。
4.助詞の重ね使い
(例1)あしたは学校へ行きますよね。(よ+ね)
(例2)あなただけには言われたくありません。(だけ+に+は)
•(例1)(例2)のように、
助詞は二つ以上重ねて使うこともあります。
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ではではニゴでした。