格助詞「で」(手段)

1.助詞全体については
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上記(助詞全体)では
助詞を5種類に分けました。
  
  (1)格助詞
  (2)接続助詞
  (3)取り立て助詞(副助詞)
  (4)終助詞
  (5)複合格助詞(=助詞相当語)

2.上記の助詞(1)~(5)の(1)格助詞については
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上記では
格助詞を(諸説ありますが)9つに分けました。

(1)が(2)を(3)に(4)で(5)へ
(6)より(7)から(8)まで(9)と

ここでは
格助詞「で」の用法について詳しく見ていきます。
まず、
格助詞「で」の用法を5つに分けます。

4.格助詞

(1)動作・作用の場所
   ①昨日あの店ラーメンを食べた。

(2)手段・方法・道具・材料
   ①はさみ切ってください。
   ②この服は紙できている。

(3)範囲
   ①私の国は漁業が盛んです。

   *範囲の「で」については
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(4)限度・期限
   ①一週間できますか。
   ②これは100円買いました。

(5)原因・理由
   ①地震電車が止まった。


この(1)~(5)の格助詞「で」の中で
(2)の手段を表す「」が最も基本的な用法だと言えます。

典型的な「手段」としては道具方法があります。
また、
材料構成要素内容物付着物なども
手段」に含まれます。

手段の「で」

1.道具

(1)包丁野菜を切る。
(2)ボールペン名前を書く。
(3)新幹線京都へ行く。

「で」のつく名詞が体の一部(⇒
抽象度の高い(⇒言葉)のような場合も
「手段」に含めます。

(4)ペットボトルを踏み潰す。
(5)言葉相手を責める。

(4)や(5)は
述語の動作の様態を表す「で」に
近い意味となります。

様態の「

様態とは
どんなふうに動くのか、
どんなふうに見えたり、聞こえたりするのかを
あらわすときに使います。

(例)裸足砂浜を歩く。
(例)赤ちゃんが大声泣いている。

道具の「で」と様態の「で」の違い

道具の「で」と様態の「で」は
簡単に見分けられます。

道具の「で」は「~を使って」「~を用いて」で
言い換えられます。が、
様態の「で」は言い換えることができません。

道具の「で」

(例)ナイフ(〇を使って)チーズを切る。

(例)足(〇を使って)ペットボトルを踏み潰す。

様態の「

(例)裸足(×を使って)砂浜を歩く。

(例)赤ちゃんが大声(を使って)泣いている。

2.方法

手段の「」は
方法、方式、形式、作戦、操作など、
抽象度の高い意味も表します。

(例)遠近法図を作成する。

(例)俳句ありありとした情景を描く。

(例)インスタグラムおいしそうなレストランを探す。

(例)タックル相手の陣形を崩す。

(例)遠隔操作ドローンを飛ばす。

(例)SNS相手の秘密を探る。

*同じ言葉を使っても、分類が違うことがあります。
 具体的な意味の「手」は「道具ので」、
 抽象的な意味の「手」は「方法ので」に分類されます。

道具ので⇒)「汚い手」お菓子をつままないでください。

方法ので⇒)「汚い手」ライバルを蹴落とす。

3.材料

(例)粘土人形を作る。

(例)このセーターは和紙編まれている。

材料を表す「から」

(例)豆腐は大豆から作られる。

材料を表す「で」と「から」は
どんな違いがあるのでしょうか。

材料を表す「で」と「から」の違い

(例1)ワインはブドウから作られる。
(例2)?ワインはぶどう作られる。

(例2)は(例1)に比べると、
あまりきれいな文とは言えません。
どうして
そのように感じるのでしょうか。
それは
「から」の持つ別の意味によります。

<「から」の意味>

①「から」は起点としての意味を強く持っています。

「起点・から」
(例)駅から大学まで歩く。

②また、「から」は
変化としての意味も持っています。
ある状態AからBに変化する、
というときに使います。

「変化・から」

(例)信号が青から黄色に変わる。

(例1)ワインはブドウから作られる。

この(例1)の「から」には
ぶどうという材料(原料)を使い、
それが変化して、ワインになる
という含みが感じられます。

そこで

(例1)ワインはブドウから作られる。
(例2)?ワインはぶどう作られる。

この二つの例文では(例2)ではなく、
(例1)の文のほうが しっくりくるのです。

また、「材料」の「で」は

(例)千代紙鶴を折る。

のように、材料の質自体は変化しません。
つまり、形は鶴でも、その材料はもとの千代紙のままです。

しかし、ワインのぶどうは、発酵などを経て
もとのぶとうではなくなっています。

4.構成要素

(例)今日の試合は このメンバー戦う。

5.内容物

(例)スタジアムは熱気むんむんしている。

(例)スタジアムはAチームを応援する人うめつくされた。

6.付着物

(例)髪の毛が雨ぐっしょり濡れてしまった。

 

ではではニゴでした。

 

 

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