受身の助詞「に」「によって」
受身文の動作主の助詞
●間接受身の動作主は「に格」しかとりません。
1、私は 友達に 夜遅く遊びに来られて、困りました。
そこで、受身文の動作主(友達)を示す助詞は
基本的に「に」を使うと言えます。
●受身の動作主を示す助詞が、問題になるのは、
直接受身文です。
●直接受身文は、ある特定の動詞、文体では、
「によって」「から」「で」「の手で」なども使われます。
1、私は 先生 (○に/○から) ほめられた。
2、花束は 部長(×に/○から) 田中さんに 贈られた。
3、アメリカ大陸は コロンブス(×に/○によって)発見された。
1は「に」「から」両方使えます。
2は「に」が重複してしまう(田中さん「に」がある)ため、
「から」しか使えません。
3は堅い文体であるので、「によって」の方が適切です。
1「から」(「によって」)を使う動詞
1、何かを受け取る人が「に格」を取る動詞
【能動文】
1、校長先生が 学生に 卒業証書を{授与する/渡す/送る/与える・・・}。
1の「渡す」というグループの動詞は、
何か(卒業証書)を受け取る人(学生)は「に格」を取ります。
1の文を、受身文にします。
(注:受身文でも、卒業証書を受け取るのは学生です。)
【受身文】
×2、卒業証書は 校長先生に 学生に 授与された。
2は「に格」が重複しているため、非文となります。
(日本語は 同じ意味をもつ助詞を、重複して使ってはいけません)
そこで、
○2’、卒業証書は 校長先生先生によって 学生に 授与されました。
2’のように、「によって」を使うと、正しい文になります。
この「によって」は「から」でも使えます。
(というよりも、「から」の方がよく使われます。)
2、卒業証書は 校長先生先生から 学生に 授与されました。
「から」を使っても、自然です。
「から」「によって」の違い
1、メダルは 先生(○から/?によって) 子供たちに 渡された。
2、金メダルは 総理大臣(○から/○によって)優勝者に 授与された。
1,2を比べてみると、「によって」は 堅い文の時に使いやすいといえます。
2「によって」を使う動詞
【能動文】
1、平山画伯が シルクロードの絵を{描く/作曲する/発明する/発見する/作る/書く・・・}
1のように作品を創造する意味を持つ動詞は、動作主は「に格」ではなく、
「によって」が使われます。
1、運命は ベートーベン(×に/○によって) 作曲された。
2、東京都庁は 丹下健三氏(×に/○によって) 設計された。
*例外
3、田中氏は 法律(×に/×から/○によって)罰せられた。
「罰する」は 物を作りだす動詞ではないが、「によって」を使う。
受身の助詞「に」「から」について知りたい方は こちらをご覧ください。
>>受身の助詞「に」「から」
ではでは ニゴでした。