使役文にできない動詞

●ある、要る、できる、など、
動作性の低い動詞、状態性の動詞は使役にできません。

●非意志的動詞で、対応する他動詞を持つ場合
使役形は、ほとんど使われません。
(例)あく(自動詞) ↔ あける(他動詞)
つく(自動詞) ↔ つける(他動詞)
とける(自動詞)↔ とかす(他動詞)
はえる(自動詞)↔ はやす(他動詞)

非意志的自動詞文 非意志的自動詞使役文 他動詞文
 ドアが開く  ×ドアを開かせる  ドアを開ける
 電気がつく  ×電気をつかせる  電気をつける
雪がとける ×雪をとけさせる 雪をとかす
ひげが生える ×ひげを生えさせる ひげを生やす

●非意志的動詞の自動詞で、対応する他動詞がない場合、
使役形が、他動詞の代用をするために、用いられます。
(例)かおる (自動詞) ↔ かおらせる(自動詞使役形)
うるむ (自動詞) ↔ うるませる(自動詞使役形)
くさる (自動詞) ↔ くさらせる(自動詞使役形)
おぼれる(自動詞) ↔ おぼれさせる(自動詞使役形)
*「おぼれる」は、おぼれようと思って溺れるものではないので、
  非意志的自動詞です)

非意志的自動詞文 非意志的自動詞使役文 他動詞文
香水がかおる 香水をかおらせる  (なし)
目がうるむ 目をうるませる  (なし)
 卵がくさる  卵をくさらせる  (なし)
 子供がおぼれる  子供をおぼれさせる  (なし)

●使役の基本を知りたい方は こちらをどうぞ。
>>使役

使役表現の分類

●Xに/を Vさせる
●色のついているところを初級で勉強します。

Xが有情名詞 意志的動詞 強制・指示
許容・放任
非意志的動詞  許容・放任
感情を表す動詞 誘発(感情の原因)
 Xが無情名詞  Xが自然とVする動詞  放置
 原因
XがVしにくい動詞 矯正

動詞の意志性と意味からみた使役の種類

●初級では、意志的動詞を使った(青い字の)使役を学習します。

動詞の意志性 伴われる副詞  使役の意味  例
 意志的動詞  (副詞を
伴わなくとも
意志性を持つ
ことは意味的に
すぐわかる)
 積極的な使役  例1
 非意志的動詞  「わざと」等
(意志性を表す
副詞)
  積極的な使役  例2
 非意志的動詞  「うっかり」等
(非意志性を表す
副詞)
 消極的な使役  例3

(例1) 先生は 学生に 勉強させた。   (積極的な使役)
(例2)私は わざと  卵を くさらせた。(積極的な使役)
(例3)私は うっかり 卵を くさらせた。(消極的な使役)

ではでは ニゴでした。

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