「~てくる・~ていく」表現(1)
「~てくる」「~ていく」か「~て来る」「~て行く」か、表記の揺れ
●「来る」「行く」が、
どの程度動詞としての独立性を持つかによって、
表記も変わります。
(1)「来る」「行く」が動詞本来の性質を持っている
(例)すみません。ちょっと、コンビニによって、(それから)行きます。
(例)どこかで昼ご飯を食べて、(それから)来ます。
この「行く」「来る」は、
「よる」と「行く」、「食べる」と「来る」
二つの動詞の並列的な度合いが強いと言えます。
「行く」「来る」の動詞本来の意味が残っています。
そこで、漢字で「行く」「来る」と表記します。
(2)「いく」「くる」の動詞本来の意味がない
(1)方向性を表す
(例)日が沈んでいった。
(例)日が昇ってきた。
この「いく」「くる」は、動詞本来の意味を持っていません。
「いく」「くる」の持つ、方向性を表しています。
(2)動作が継続している
(例)子供たちを、今まで6年間も教えてきた。
(例)これからも、ずっと教えていくつもりだ。
この「いく」「くる」も、動詞本来の意味を持っていません。
「いく」「くる」を補助動詞として用いることによって、
本動詞「教える」という行為が、続いていることを表します。
(3)変化している
(例)寒くなってきましたね。
(例)これから、どんどん暑くなっていく。
この「いく」「くる」も、動詞本来の意味を持っていません。
「いく」「くる」を用いることによって、
変化していることを表します。
●(1)(2)(3)の「いく」「くる」は、動詞の独立性は失われ、
補助動詞として、使われています。そこで、
「いく」「くる」のように、ひらがなで表記します。
「~てくる」「~ていく」表現の目次
これから、「~てくる」「~ていく」を、以下の順番で見ていきます。
(1)移動の方向
(1)順次動作
(2)平行動作
(3)移動するときの身なり
(4)移動方法
(5)移動の行先
1.主体の移動 2.対象の移動
(2)時間の経過
(1)動作の継続
(3)変化(無↔有、小↔大、隠↔顕)
(1)変化
(2)現象の発生「~てくる」のみ
(3)知覚動詞+~てくる、~ていく
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ではでは ニゴでした。