「みんなの日本語」と「~ている」表現(2)
ここでは「みんなの日本語」の「~ている表現」の
提出順に従って、分類の仕方などを解説していきます。
「みんなの日本語」で「~ている」表現を教える課は以下の通りです。
第14課、第15課、第22課、第29課。
「みんなの日本語」の「~ている」表現を導入する課
(1)動作の継続(進行)
第14課(例)ミラーさんは今電話をかけています。
(2)結果の状態
第15課(例)
サントスさんはパソコンを持っています。
私は京都に住んでいます。
私はマリアさんを知っています。注1
私は結婚しています。
(3)職業
第15課(例)
ミラーさんはIMCで働いています。
ミラーさんは会社で英語を教えています。
ミラーさんは日本語学校で日本語を勉強しています。
(4)結果の状態
第22課(例)あの着物を着ている人は誰ですか。
(5)習慣
第28課(例)
毎朝ジョギングしています。
休みの日はテニスをしています。
休みの日はテレビやビデオを見ています。
(6)結果の状態
第29課(例)
窓が閉まっています。
この自動車は壊れています。
「みんなの日本語」の「~ている」を導入する課の解説
●「~ている」表現は、意味・用法が多く、
一度に導入することは、不可能ですし、学生を混乱させるだけです。
●「みんなの日本語」は、形が同じときには、意味が違っていても、
一緒に導入してしまうことの多いテキストです。
それでも、「~ている」表現は、4課に分けて導入しています。
(第14課・第15課・第22課・第29課)
ここでは、「みんなの日本語」の導入順に、
「~ている」表現の意味・用法と、注意点などを説明していきます。
(1)動作の継続(進行)
第14課(例)ミラーさんは今電話をかけています。
●第14課で、「~ている」の動作の継続(進行)を導入します。
「みんなの日本語」以外のテキストでも、
「~ている」表現の第一番目に導入するのは、動作の継続(進行)です。
やはり一番わかりやすいからでしょう。
●進行形なので、副詞「今」を一緒に使っています。
(2)結果の状態(3)職業
第15課(2)結果の状態(例)
サントスさんはパソコンを持っています。
私は京都に住んでいます。
私はマリアさんを知っています。注1
私は結婚しています。
第15課(3)職業(例)
ミラーさんはIMCで働いています。
ミラーさんは会社で英語を教えています。
ミラーさんは日本語学校で日本語を勉強しています。
●第15では「~ている」表現を二つ導入しています。
(2)は結果の状態
(3)の職業は、「動作の継続」です。
●(2)で注意したいのは「知っています」です。
A:マリアさんを知っていますか。
B:はい、知っています。
C:いいえ、知りません。
否定形が「知っていません」ではなく、
「知りません」 になることです。
注1この例外は「知る」だけです。
「知っていますか」という言葉は、
授業の際にとてもよく使う語彙です。
様々な表現を導入するときに、大変便利なのです。
もっと早い段階で、語彙として
A:知っていますか。
B:はい、知っています。
C:いいえ、知りません。
これを導入してしまいましょう。
すると、「~ている」表現の「結果の状態」を
導入するころには、「知っています」は、すでに定着していて、
使えるようになっています。
続きをご覧になりたい方は、こちらをクリックしてください。
>>「みんなの日本語」と「~ている」表現(3)
●アスペクト「~ている」表現と動詞の関係は以下で説明しています。
>>アスペクト(時間の流れに焦点をあてた文法形式)
ではでは ニゴでした。