「~てくる、~ていく」表現(3)
(1)移動の方向を表す
(1)順次動作
(2)平行動作
(3)移動方法
(4)移動するときの身なり
前回は、ここまでを見てきました。
●前回の解説を見たい方は、コチラをクリックしてください。
>>「~てくる、~ていく」表現(2)
ここでは、その続きを解説します。
(5)移動する動作の行先
(1)主体の移動
「帰る、出かける、入る、出る、上がる、下がる、登る、降りる、落ちる、・・・」
など、その動詞自体に、移動性があるものに、
「~てくる」「~ていく」が付きます。
(1)もうすぐ、父がアメリカから帰ってくる。
(2)子供たちは、一人一人家へ帰っていった。
「移動の意味を含む動詞+~てくる、~ていく」は
例でみると、(1)(2)の動作「帰る」が、
(1)私に向かって近づくのか、
(2)私(話し手側)から遠ざかるのか、
が、明確になります。
●この二つの動詞の結びつきは、とても強く、
「帰ってくる」「帰っていく」は、
「帰って、それから、くる」「帰って、それから、いく」
ということはできません。
(例)明日、奈良の親戚を訪ねていくことにしよう。
食べ物を食べていたら、ハトが近寄ってきた。
この階段を上っていくのは、骨が折れる。
窓を開けると、蚊が入ってくるから、早く閉めてください。
(2)対象の移動
●「(メールを)送る、(品物を)届ける、運ぶ、・・・」などの
動詞は「対象の移動」を表します。<メール(対象)>を送る<←移動を表す>
●また、「手紙を書く、電話をする、連絡する、・・・」などの
動詞は、その行為(書く)をした後には、必ず、
「対象(手紙)の移動」が、伴います。
こういった動詞は
(例)○私は友達に電話をかけた。
この例では電話は友達に届きます。
(例)×友達は私に電話をかけた。
この例では、電話は私に届きません。
電話を私に届けるためには
(例)○友達は私に電話をかけてきた。
のように、「~てくる」と一緒に用いなければなりません。
私(話し手側)→ 書く 、送る → 相手側
(例)私は、田中さんに 一日に何回もメールをする。
(例)私は、キムさんに 珍しく電話をかけた。
(例)私は 父に自分で作った野菜を送った。
私(話し手側)← 書いてくる、送ってくる ← 相手側
(例)田中さんは、一日に何回も(私に)メールをしてくる。
(例)キムさんが、珍しく私に電話をかけてきた。
(例)父が自分で作ったという野菜を送ってきた。
次回は以下の通りです。
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>>「~てくる、~ていく」表現(4)
(2)時間の経過
(1)動作の継続
(3)変化(無↔有、小↔大、隠↔顕)
(1)変化
(2)現象の発生「~てくる」のみ
(3)知覚動詞+~てくる、~ていく
ではでは ニゴでした。