~てある・1(「~ている」との比較)
~てある・1(「~ている」との比較)
動詞の中で、
自動詞・他動詞の対応がある場合、
「~ている」と「~てある」
の違いが問題になります。
・窓が開いている。
・窓が開けてある。
ここでは、自他の対応のある動詞を使った
「~てある」について、
「~ている」と比べながら書いていきます。
(1)床の間に花が活けてある。
この例文は
今の目の前の様子を
描写しています。
その様子とは、
過去にした行為
(花を生けた)の
結果が
残っているのです。
そこで、
この「~てある」を
「結果の状態」と言ったりします。
「眼前の状態描写」の表現です。
また、
「~ている」も
「結果の状態」を表します。
やはり、
目の前の様子を描写する表現です。
例えば
・窓が開いています。
(2)鍵がかかっている。
(1)の「他動詞+てある」と
(2)の「自動詞+ている」は、
両方とも「結果の状態」を表すので、
似ていることから、
学生がよく間違えてしまいます。
(1)床の間に花が活けてある。
(2)鍵がかかっている。
簡単に両者の違いを
見ておきましょう。
Ⅰ「~ている」(眼前の状態描写)
(3)窓が開いている。
<形式>
「~が」+無意志動詞(自動詞)+ている
上記の例文(3)は
「窓を開けた」という行為ではなく、
今の「開いている」状態に注目しています。
どうして窓を開けたのか
といった、
人の意図は、表していません。
Ⅱ「~てある」(眼前の状態描写 + α )
(4)窓が開けてある。
<形式>
「~てある」+意志動詞(他動詞)+てある
上記の例文(4)は
今の窓が開いている状態も
示してはいます。
しかしながら、
注目しているのは
その状態が
誰か人の行為によってもたらされた、
ということです。
例文(4)の
「窓が開けてある」は
人が
何か目的をもって、
その行為をしたと考えます。
「~ている」は自動詞、
「~てある」は他動詞を使います。
(3)窓が開いている。
(4)窓が開けてある。
上記の例文(3)(4)の
窓が開いている状態は
全く同じです。
しかし、
例文(3)の
「窓が開いている」は
窓の開いている状態だけを見ています。
例文(4)の
「窓が開けてある」は
窓の開いている状態を見ているのは、
例文(3)と同じです。
しかし、
その背後に
人が何かのために、
そういう状態にした、
という意味を持っています。
そこで、
文中に、窓が開いている状態の、
明確な理由や目的が述べてあると、
「~てある」しか使えません。
(5)風を入れるために、窓が開けてあります。
(6)猫が出入りするので、窓が開けてあります。
この時、窓を開けた行為者が、
自然、あるいは動物などの場合は
「~ている」を用います。
(7)風が強かったからかなあ。窓が開いているよ。
(8)猫が開けたのかなあ。窓が開いている。
例文(5)の
「風を入れるために、窓が開けてあります」
は
人が風を入れるために、窓を開けたのであり、
例文(7)の
「風が強かったからかなあ。窓が開いているよ」
は
自然と風が窓をあけてしまった、
ということです。
●次の例は、
「~ている」と「~てある」
の違いをよく表しています。
(9)
A:スースーすると思ったら、
窓が開いているよ。
B:あっ、閉めないで。
開けてあるんだから。
さっきまで、魚を焼いていたのよ。
「~てある」と「~ている」
の比較・次の一歩
「瞬間動詞+ている」
(結果の状態)は、
どんな時に使うのでしょうか。
(10)あっ、財布が落ちている。
(11)どうして、ここだけ枯れているんだろう。
(12)糸くずがついていますよ。
上記の例文(10)(11)(12)
のように、
「~ている」は、
当たり前ではないこと(もの)を見たとき、
そのことを
他の人に伝える表現です。
一方
(13)食器がきれいに並べてある。
(14)壁にはポスターが貼ってある。
(15)お茶を入れるんだったら、
お湯は沸かしてありますよ。
のように、
「~てある」を使った例文は、
(10)(11)(12)の
「~ている」を使った例文と違って、
普通の状態のものを見て、
話しています。
「~てある」は、
人が目的をもって、
行ったことの結果なので、
その結果の状態は、
通常ふつうのことです。
そこで、
(10’)×お金が落としてある。
(11’)×ここだけ枯らしてある。
(12’)×糸くずがつけてある。
(10’)(11’)(12’)
のような例文は非文となります。
「~てある」・2では、
「~てある」について、
詳しく書いてあります。
どうぞ、ご覧になってください。
↓↓↓
>>「~てある」・2
ではでは ニゴでした。