~てある・2

~てある

(1)壁に絵がかけてある。
(2)田中さんには、
もうそのことを話してありますから、
このプロジェクトは、
いつでも始められます。

「~てある」・1では、
「~てある」の意味は

●眼の前の様子(結果の状態)
を描写している。
●その状態は、誰か(人)が、
何かの目的をもって、したものである。

ということをお伝えしました。

しかし、
上記の例文(2)は
その意味ではくくれません。

そこで、
もう少し、詳しく分析してみます。

1、行為者

(1)壁に絵がかけてある。

壁に絵をかけたのは誰でしょうか。
(1)の場合、
行為者は誰だかわかりません。

(2)田中さんには、もうそのことを話してありますから、
このプロジェクトは、いつでも始められます。

田中さんに話をしたのは誰でしょうか。
(2)の場合、
行為者は自分自身です。
行為者がわかっています。

(2)では
「もう田中さんに話してある」
つまり、
「準備は、すでに整っている状況です」から、
いつでも始められます。
という意味です。

(2)は「眼前の状態」ではなく、
今の状況を述べています。
どんな状況かというと、
「準備が整った」という状況です。

行為者がわからない:「眼前の状態描写」(結果の状態)

(3)教室には世界地図が貼ってあります。

(3)の場合、
行為者は、誰だかわかりません。
しかし、その状態は
誰かが意図的にしたものです。

行為者がわかっている:「準備が整っている状況」

(4)お誕生会用のケーキは、買ってあります。

(4)の場合、
行為者が誰であるかわかっています。
行為者は自分自身で、
お誕生会の準備として、
ケーキを買ってきました。

つまり、今は
「準備が整っている状況」です。

2、助詞の問題

場所を表す「に」と一緒に使うときは、
「が」を使います。

(5)机の上、資料置いてある。
(6)掲示板、ポスター貼ってある。
(7)カレンダー、予定書いてある。
(8)鞄の中お守り入れてある。
 

「眼前の状態描写」(結果の状態)を表すときには
「が」を使います。

(9)エアコンつけてある。
(10)電気消してある。
(11)窓開けてある。
(12)鍵かけてある。
 

「準備が整った状況」を表すときには
「を」が多用されます。

(13)すでに話つけてありますから、
心配しないでください。
(14)たくさん漢字の練習してあるから、
今日のテストは問題ないと思う。
(15)先方には会議の概要知らせてあります。
(16)ホテル予約してありますから、
出発して大丈夫です。
 

エアコン「が」つけてあります?
エアコン「を」つけてあります?

「眼前の状態描写」
(結果の状態)を表すときには
」を使います。

(17)(動物園のパンダ舎の前で)
パンダは暑さに弱いので、一日中エアコンつけてあります。
 
 

「準備が整った状況」のときには
」が使えます。

(18)
A:田中さんが来る時間ですね。
田中さんは暑がりですが、応接室の準備はできましたか?
B:はい、大丈夫です。
もう、エアコンつけてありますから。
 
 

「~てある」の文法用件

(1)「~てある」:「眼前の状態描写+α」

「~が」+意志動詞(他動詞)+てある

例:窓が開けてある

●行為者は不明、あるいは不問。
●眼前の様子を描写しているが、その行為に注目している。
●人が何か目的をもって、その行為をしたと、とらえている。

(2)「~てある」:「現在の準備が整った状況を述べる」

「~が/~を」+意志動詞(自動詞・他動詞)+てある」

例1:
田中さんがプレゼン会場を押さえてあるので、
何の問題もありません。

例2:
おやつが用意してあるので、あとで食べてください。

●行為者はわかっている。
●準備が整ったという、今の状況を述べている。

「記述を表す動詞+てある」の注意点

(1)ここに名前が書いてあります。

●これは、「眼前の状態描写」です。
●プラスアルファとして、
持ち主が間違えられないように、
名前を書いたと考えられます。

(2)ここに「大募集」と書いてある。

●(2)のような
「~に・・・・・・と書いてある」は、
眼前の状態描写のみであって、
誰かが何かの意図をもって行ったという
含みは、ほとんど感じられません。

「~に・・・・・・と書いてある」は、
「~に・・・・・・とあります」と、
言うこともあります。
(ここに「大募集」とあった。)

「~てある」と「~ている」
の違いを知りたい時には、
コチラをご覧ください。
↓↓↓
>>~てある・1(「~ている」との比較)
 
 

ではでは ニゴでした。

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