~てしまう

ここでは「動詞+~てしまう」を見ていきましょう。
「動詞+~てしまう」は「~てしまいました」のように
「言い切り」「過去形」の形でよく使われます。

こでは、よく使う形の「1、~てしまった 」
次に「2、~てしまう」の順で、説明していきます。

1、「動詞+~てしまった」の意味

1、完了

(1)村上春樹の本は、すべて読んでしまいました。
(2)ここにあったお菓子は、全部食べてしまいました。
(3)9時から会議があるので、この部屋の掃除はもう、してしまいました。

(1)(2)(3)の「動詞+~てしまった」は、
動作の完了を表し、全部終わったという意味です。

「全部」「完全に」「すべて」「すっかり」などの副詞
と一緒に使うことも多いですね。

(1)(2)は「すべて読んだ」「全部食べた」
という、量的な完了を表し、

(3)は、動作の完了を表しています。

2、後悔・残念

(4)電車に忘れ物をしてしまいました。
(5)大切な時計が壊れてしまいました。

(4)(5)の「動詞+~てしまった」は、
後悔や残念な気持ちを表しています。

「動詞+~てしまった」の文法

「動詞+~てしまった」がどんな時に「完了」になり、
どんな時に「後悔・残念」の気持ちを表すのか、
文法的な規則が、あるのでしょうか。

それは一概には言えません。が、
一つには、使われている動詞が、
意志動詞か無意志動詞かによります。

「無意志動詞+~てしまう」は、後悔の意味になりやすいのです。

ただし、完了の意味を表しやすい意志動詞でも、
文脈・状況的な条件により、後悔の意味を表すこともあります。

以下、具体的に見ていきましょう。

(1)意志動詞

「完了」
(1)昨日かったワインは、全部飲んでしまいました。
(2)宿題は、休み時間にしてしまいました。

(2)無意志動詞

「後悔・残念」
(3)道に迷ってしまった。
(4)遅刻してしまった。
(5)メールアドレスを間違えてしまった。

(1)(2)のように
「意志動詞+てしまった」は動作の完了

(3)(4)(5)のように
「無意志動詞+てしまった」は、「後悔・残念」
の意味になりやすいと言えます。

(2)文脈・状況的条件

完了の例(1)昨日買ったワインは、全部飲んでしまいました。
    ↓
(1’)A: 昨日のワイン、まだある? 飲みたいんだけど。
    B:ごめん。飲んじゃった・・・・・・。

完了の例(2)宿題は、休み時間にしてしまいました。
    ↓
(2’)A:みんなで一緒に宿題をしませんか。
    B:うわー、残念。もうしてしまいました。

完了の意味の例文(1)(2)は意志動詞を使っています。
でも、(1’)(2’)のように
文脈や状況で「後悔・残念」の気持ちを表すことができます。

まとめ

文脈・状況的条件によって、表す意味は変わりますが、

「意志動詞+てしまった」は動作の完了
「無意志動詞+てしまった」は後悔・残念

を表すことが多いと言えます。

また、
「忘れる」「落とす」「なくす」「こわれる」「割れる」「辞める」
「間違える」「遅れる」などの動詞は、「後悔・残念」の気持ちを
よく表します。

2、「動詞+~てしまう」の意味

1、近い将来の完了

(1)すぐに読んでしまいますから、もう少し貸しておいてください。
(2)ダイエットしているので、夕飯は、毎日4時に食べてしまいます。

(1)(2)は、近い将来、あるいは、ある時点で、
動作が完了することを表しています。

2、後悔・残念

(3)早くいかないと、遅れてしまいますよ。
(4)アルバイトを始めたら、しょっちゅう寝坊してしまうんです。

(3)(4)は、「後悔・残念」の気持ちを表しています。

「動詞+~てしまう」の文法

「動詞+~てしまう」が、
どんな時に「完了」「後悔・残念」の気持ちを表すのかは、
「動詞+~てしまった」の文法の時と同じです。

やはり、(1)意志動詞か無意志動詞か と
    (2)文脈・状況的条件によります。

「意志動詞+てしまう」は動作の完了
「無意志動詞+てしまう」は後悔・残念

「~てしまう/~てしまった」の縮約形

「~てしまう/~てしまった」は、話し言葉では

読んでしまう  読んじゃう  読んじゃった
見てしまう   見ちゃう   見ちゃった

のように、使われることが多いので、
上記の言い方を紹介しておくほうが、合理的だと言えます。

ではでは ニゴでした。

サブコンテンツ

このページの先頭へ