「と・ば・たら・なら」(3)
条件表現の使い分け・文法
私たちは「と・ば・たら・なら」を
を用いた条件文を使い分けています。
それは、この四つの条件表現には
意味と文法に違いがあるからです。
前回は、
「と・ば・たら・なら」を使い分けたときの、
おおまかな意味の違いについて、考えました。
今回は、文法の違いをみていきます。
Ⅱ、文法
1、丁寧体で使えるか否か。
次の文を見てください。
どれがOKで、どれが非文でしょうか。
(1)このボタンを押しますと、ドアが開きます。
(2)このボタンを押しませば、ドアが開きます。
(3)このボタンを押しましたら、ドアが開きます。
(4)このボタンを押しますなら、ドアが開きます。
(1)(3)はOK、(2)(4)は非文ですね。
ということは、条件文には、丁寧体に使える・使えないと
いった、文法的な違いがあることになります。
2、事実的条件に使えるか否か。
次の文を見てください。
どれがOKで、どれが非文でしょうか。
(1)この薬を飲むと、熱が下がった。
(2)この薬を飲めば、熱が下がった。
(3)この薬を飲んだら、熱が下がった。
(4)この薬を飲むなら、熱が下がった。
(1)(3)はOK、(2)(4)は非文ですね。
つまり、「と」「たら」は事実的条件文に使えますが、
「ば」「なら」は使いにくいようです。
3、仮定条件に使えるか否か。
次の文を見てください。
どれがOKで、どれが非文でしょうか。
(1)100万円あると、何を買いますか。
(2)100万円あれば、何を買いますか。
(3)100万円あったら、何を買いますか。
(4)100万円あるなら、何を買いますか。
仮定条件に一番しっくりくるのは、「たら」。
「ば」もOK。
「なら」はぎりぎり。
「と」は非文ですね。
4、モダリティ制約があるか否か。
次の文を見てください。
どれがOKで、どれが非文でしょうか。
(1)新しい家に引っ越すと、住所を教えてください。(×)
(2)新しい家に引っ越せば、住所を教えてください。(×)
(3)新しい家に引っ越したら、住所を教えてください。(○)
(4)新しい家に引っ越すなら、住所を教えてください。(○)
「と」「ば」は非文、「たら」「なら」はOKです。
つまり、
「と」「ば」の後件には、
命令文などが使いにくいことがわかります。
しかし、前件が状態性の述語の時には、
「ば」も、使えるようになります。
(1)暑いと、エアコンをつけてください。(×)
(2)暑ければ、エアコンをつけてください。(×) → (○)
(3)暑かったら、エアコンをつけてください。(○)
(4)暑いなら、エアコンをつけてください。(○)
今までは
条件文全体についてみてきたので、
次からは、別々に見てきましょう。
次回は 「~たら」表現です。
*条件文の使い分けによる、
おおまかな意味の違いについてご覧になりたい方は
こちらをご覧ください。
↓↓↓
条件表現「と・ば・たら・なら」(1)
*条件文の使い分けによる、
おおまかな意味の違いについてご覧になりたい方は
こちらをご覧ください。
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「と・ば・たら・なら」(2)
ではでは ニゴでした。