推量の表現「~ようです」の概観
いろいろな話し手の判断を表す表現
ある根拠に基づいて、話し手が判断たり、予想したりする表現は
たくさんあります。
1、断定を表す表現
2、断定を避ける表現:~だろう、~だろうと思う
3、可能性を表す表現:~かもしれない
4、確信を表す表現:~はずだ、~にちがいない
5、外観・兆候を表す表現:~そうだ(様態)、~みたいだ、~らしい
6、状況からの判断を表す表現:~ようだ
7、伝聞を表す表現:~そうだ(伝聞)、~らしい
上記は、意味が接近している表現が多く、
学習者にとっては使い分けが、難しいと言われています。
そこで、教師は しっかりと、
その表現、一つひとつの違いを把握するようにしたいですね。
「~ようだ」4つの用法
「~ようだ」には、
「推量」「推量の婉曲表現」「比況(比喩)」「例示」
の4つの用法があります。
「推量」:(学校を休んでいる人が多い・季節は冬)
(1)風邪が流行っているようです。
「推量の婉曲表現」:(ストッキングが伝線しているのを見て)
(2)あの・・・、ストッキングが伝線しているようですよ。
「比況(比喩)」
(3)あの二人は、兄弟のように仲がいい。
「例示」
(4)アメリカのような多民族国家では、
「はい」「いいえ」をはっきり言う必要がある。
「推量」と「比況(比喩)」の注意点
以下のように一文のみを提示します。
(1)あの人は 女性のようだ。
(2)雨が降っているようです。
すると、学生には、その文の状況がわからないので、
どちらが「推量」で、どちらが「比況(比喩)」なのか、
判別できないこともあります。
(1)(2)は、
副詞の「どうやら」「どうも」を使うと「推量」に、
「まるで」を使うと「比況(比喩)」になります。
学生に文を提示するときには、状況を書き込み、
「推量」と「比況(比喩)」が 区別できるようにします。
(1’)「推量」(髪の毛が長い人の後姿を見て)
・あの人は(どうも) 女性のようだ。
「推量」の表現をもっと詳しく知りたい方は、コチラをどうぞ。
>>「推量」の表現「~ようです」
(2’)「比況(比喩)」(あの人の性格を知っている)
・あの人は(まるで) 女性のようだ。
「比況(比喩)」の「~ようだ」は、コチラをご覧ください。
>>「比況(比喩)」の「~ようです」
●書き言葉(新聞等)でよく使われる「推量表現」、
推量から派生した「配慮表現」、「比況」の慣用的表現、
「例示」などは、中、上級で勉強します。
「例示」と「比況(比喩)」の注意点
「例示」(中級)(3)日本のように四季のある国では、天候の変化が大きい。
「例示」(初級)(4)京都のような古い街に住んでみたいです。
「例示」の「~ようだ」をご覧になりたい方は こちらをどうぞ。
>>例示の「~ようです」
ではでは ニゴでした。