「推量」の婉曲表現「~ようです」

婉曲表現の「~ようだ」

「推量」の「~ようだ」は、話し手の判断を述べます。
話し手が現在の状況を見て、はっきりと断定できないときに使います。

断定できると思ったときでも、相手の感情を傷つけないように、
「~ようだ」を使う場合もあります。

(1)A:このワンピース、似合うかしら。
   B:ちょっと、地味なようですね。

Bさんは、実際には「地味だ」と判断しましたが、相手に対し
失礼があってはいけないとの配慮から「~ようだ」を使っています。

●日本語の特徴として、そのものずばりを、直接的に述べることは
品格にかける、という考え方が根底にあります。

そこで、多少、あいまいさを残した表現が好まれます。

●「~ようだ」は、相手に失礼にならないようにと、配慮をした
婉曲表現としても使われます。

(2)A:シチューを作っているんですが、味見してもらえますか。
   B:ちょっと塩味が足りないようですね。

(3)生活が苦しいようなら、奨学金を申請してみてはどうですか。

(4)A:田中さん、離婚したんだって?
   B:ええ。そのようです

(5)全員そろったようですので、ミーティングを始めたいと思います。

「推量」の表現「~ようです」をご覧になりたい方は こちらをどうぞ。
>>「推量」の表現「~ようです」

初中級での婉曲表現「~ようだ」の導入のヒント

たいていの場合、初級で「~ようだ」の婉曲表現を導入することは
ないと思います。もし、入れなければならない時のヒントです。

●マフラーなどが似合うかどうか、学生同士で話し合います。
その時に、
 「とてもよく似合います。」はOKだけれども、
似合わないと伝えたい時どうするのかを考えてもらいます。

例えば、
「ちょっと、地味なようです。」
「ちょっと、派手なようです。」
「ちょっと色が暗すぎるようです。」などなど。

●作った料理をおいしいかどうか言い合います。
その時に、
「とてもおいしいです。」はOKですね。
でも、あまりおいしくない時にどう言うのか考えてもらいます。

例えば、
「ちょっと辛いようですね。」
「ちょっと味がうすいようです。」
「ちょっと水を足した方がいいようです。」
「ちょっと塩を入れた方がいいようです。」などなど。

もっといい導入もたくさんあることと思います。
お互いに、こんな導入どうかしら、と話し合えるといいですね。

ではでは ニゴでした。

サブコンテンツ

このページの先頭へ