例示の「~ようです」

例を示す「~のようです」

意味と用法

(1)原宿のよう 若者の街は、世界でも珍しい。
(2)巣鴨のよう お年寄りが集まる街は 世界でも珍しい。

「たとえば~のような/に」の形で、話題として提示します。

(3)表参道のような おしゃれな街に 住んでみたい。

(3)は表参道がおしゃれであると言っているのでありません。
「おしゃれな街」の例として、表参道をあげています。
「おしゃれな街」を、わかりやすく述べるために、例示しています。

(4)今年度は、田中君のように ITスキルの高い人材を 採用したい。

(4)は、田中君のITスキルの高さを述べるのが本題なのではなく、
田中君を、ITスキルの高い人材の一例として、提示しています。

形と意味

N1のようなN2

●N1のようなN2は
(1)神田のような古本は、世界でも珍しいだろう。

(1)のように、N1が名詞(古本街)にかかる場合は 、
「N1のよう」になります。

N1のように[V/い形/な形]N2

Ⅰ、(2)(3)の場合は、「~ような/に」のかかる先が、
2パターン考えられます。
(2)は名詞(町)にかかる場合、
(3)は形容詞(古い)にかかる場合です。

●N1のような/にN2は
(2)京都のよう古いは 観光資源に恵まれている。
(3)京都のように 古い町は 観光資源に恵まれている。

(2)のように、N1が名詞にかかる場合は
「N1のよう
(3)のように、N1が形容詞(い形・な形・動詞)にかかる場合は
「N1のよう」になります。

Ⅱ、(4)(5)の場合も、「~ような/に」のかかる先が、
2パターン考えられます。
(4)は名詞(日本語)にかかる場合、
(5)は動詞(話したい)にかかる場合です。

●N1のような/にN2は
(4)私は田中さんのような 日本語が話したいです。
(5)私は田中さんのように 日本語が話したいです

(4)のように、N1が名詞にかかる場合は
「N1のよう
(5)のように、N1が動詞(い形・な形・動詞)にかかる場合は
「N1のよう」になります。

初級の例示・注意点

N1のように/な~(な)N2
(1)チョコレートやケーキのような甘いが好きです。

●状況がないと、「推量」と「比喩」の「~ようだ」は、
判別できないことがありました。

「推量」と「比喩」の「~ようだ」の判別をご覧になりたい方は
比況(比喩)の「~ようです」の真ん中あたり、
推量と比喩の「~ようです」をご覧ください。
>>推量と比喩の「~ようです」

●「比喩」と「例示」の「~のようです」も、ときに判別しにくいことがあります。

(1)田中さんのような日本語が話したい。
(2)日本人のような日本語が話したい。

(1)(2)は、田中さんと日本人が違うだけです。
でも、
(1’)田中さんのような、関西弁風の日本語が話したい。
(2’)日本人のような、上手な日本語が話したい。

(1)(1’)は「例示」
(2)(2’)は「比喩」に分類されてしまいます。

日本人にとっても、わかりにくいですよね。
でも、いい方法があります。文の中に副詞
「まるで」と「たとえば」を入れてみます。

比喩」のときには副詞「まるで」が、
例示」のときには、副詞「たとえば」が
当てはまります。

(1’)たとえば田中さんのような、関西弁風の日本語が話したい。
(2’)まるで日本人のような、上手な日本語が話したい。

市販のテキストの例

(1)A:どんな生活がしたいですか。
B:王様のような生活がしたいです。

(1)は、初級の「比喩」の中に出ていた例文です。
ちょっと見ただけでは、比喩のようです。でも、

副詞「まるで」は使えません。
×まるで王様のような生活がしたいです。

副詞「たとえば」は使えます。
○たとえば王様のような生活がしたいです。

ということは、これは「例示」の「~のようだ」ということです。

市販のテキストでも、このようなことがあります。
練習問題や導入の例を考えるとき、
私たちは細心の注意を払う必要がありますね。

導入の際は、典型的な「例示」、典型的な「比喩」で勉強し、
このようなこじつけてき文章は、やらない方がいいですね。

ではでは ニゴでした。

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