代金・賃金・料金、どう違う?

代金・賃金・料金の使い方

どうやって、「代金・賃金・料金」という言葉を使い分けるのか、
違いがあることは、なんとなく、わかるけれど・・・・・

明確な差については、あまり考えたことがありませんでした。

とあるテレビ番組で、このことを解説していたので、
ここに書いておこうと思います。

漢字の授業に使ってみてください。

以下の解説は
「日本国語大辞典」のもと編集長、
神永暁氏によるものです。

(1)代金

「代金」「賃金」「料金」というお金を表す漢字の中で、
一番最初に使われるようになったのは、
「代金」です。

江戸中期、井原西鶴作の「日本永代蔵」に、
「代金」の文字があるそうです。

江戸中期、「代金」が、どのように使われたかというと、

<魚屋さんでの会話>

お客さん:代金は おいくら?
魚屋さん:へい、1両です。

このように、
代金は 物の代わりとして、支払うお金
という意味で、江戸時代中期から使われるようになりました。

つまり、飲食代は 食べたものや飲んだものの代わりとしてのお金、
書籍代は 本の代わりとしてのお金、ということです。

(2)賃金

次に使われるようになった言葉は
「賃金」です。

やはり、江戸時代中期からだそうです。

<駕籠屋さんでの会話>

駕籠屋さんの従業員:今日は 3人運びました。
駕籠屋さんの出納係:では、今日の賃金は 3両ですね。

このように、
賃金は 人に何かやってもらったことと引き換えに払うお金
という意味で使われるようになりました。

つまり、
家賃は 家を貸してもらったことと、
引き換えに払うお金、
運賃は 運転手さんに電車に乗せてもらったことと、
引き換えに払うお金、ということです。

<お駄賃の来歴>

江戸時代、駄賃の駄は、
駄賃馬(だちんうま)のことでした。

江戸時代の駄賃とは 荷物や人を駄賃馬にのせてもらったことと、
引き換えに払うお金、ということでした。

それが、現代では、
お使いなどをしてもらったときに、あげるお金
というように変わってきました。

(3)料金

「料金」は、明治時代になってから、
使われるようになりました。

明治時代の郵便局を規定した条例:

逓信省令第46条に「料金」という言葉が
記載されているそうです。

郵便という制度が整う以前は、
「飛脚」が荷物や手紙を運んでいました。

すでに、室町・鎌倉時代には、
飛脚は ずいぶんと利用されていたようです。

しかしながら、その料金体系は不明瞭で、
飛脚のいい値だったそうです。

それが、明治時代になると、郵便制度が始まり、
郵便料金もきちんと定められました。

送料は その荷物や手紙の大きさと重さで
一定に決められたのです。

大きさや重さを「はかる」ときに使う「はかる」という言葉は、
漢字で「料る」と書きます。

郵便局では、
荷物や手紙の大きさや重さを料(はか)ってもらい、
一定に決められたお金を支払います。

このように、
一定に決められたお金のことを料金
呼ぶようになりました。

例えば、入園料は、

大人 1000円、
子供 500円、などのように、
金額が決まっているので、
「料」という漢字を使います。

授業料も、
全員が一定に決められた金額を支払うので、
この「料」という漢字が使われます。

代金・賃金・料金の使い方

「代」「賃」「料」という漢字を訓読みにすると、
その意味が、はっきりしますね。

代=代わる
賃=賃(やと)う
料=料(はか)る

代金は 物の代(か)わりとして、支払うお金。
賃金は 賃(やと)った人に、何かしてもらったときに支払うお金。
料金は 大きさ重さ等を料(はか)って、一定に決められたお金。

「賃」という漢字を「賃(やと)う」と読むとは、
ここで初めて知りました。

授業の時に、何かしら役立てば、と思っています。

ではではニゴでした。

 

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