脳性まひ・声なき詩

声なき詩・命の証し

4月6日(月)の朝日新聞の夕刊の見出しです。
これを見た瞬間、心がその字にくぎ付けになりました。

「なんだろう?」
そして、ありがとうの詞

~ありがとう~
いつも いっぱい 「ありがとう」
なかなか言えないけど
いつも心にあふれてる

いつも言えない「ありがとう」が
行き場を失ってたまっている

言いたくても言えない「ありがとう」のかたまりが
目に見えない力になって
あなたの幸せになったらいいのにな

(原文は全てひらがなです)

堀江菜穂子さん(20歳)

彼女の手足は脳性まひのために
ほとんど動きません。

寝たきりの生活の中で、
わずかに動かせる手で
つむいだ詞はー約1200編ー

そんな生活を送る彼女なのに、
~言いたくても言えない「ありがとう」のかたまりが
 目に見えない力になって
 あなたの幸せになったらいのにな~

人の幸せを願っている!
こういう方を知ると
人っていいなあ、と心から思えます。

自分は五体満足で、人並みに動けるのだから、
いつも「ぶつぶつ」言ってないで、
頑張らなくては!と思います。

私は私の人生を堂々と生きる

~世界の中で~

この広い世界の中で
わたしはたった一人
たくさんの人の中で
私と同じ人間は一人もいない
私はわたしだけ
それがどんなに不自由だとしても
私の代わりは誰もいないのだから
私は私の人生を堂々と生きる

今は両親の介助を受けながら、
民間の障碍者施設に通っているそうです。

子供のころは、
都立の特別支援学校で勉強していました。

高等部のころ、
周りの人たちの会話から
自分が何も考えていないように
思われていると感じたそうです。

そこで、詞をたくさん書くようになったとのこと。

学校では突然になくなる生徒もおり、
子供のころから常に
生と死を意識せざるを得ませんでした。

~世界の中で~
何と強い方なのでしょう。

自分を卑下することもなく、堂々と生きている姿は
すがすがしくさえあります。

健康も、声も、何もかも持っているのに、
すぐに他人と比べて
「なんてだめなんだろう・・・・・・」
と思ってしまう自分の情けなさ。
恥ずかしさで胸がつまりました。

人の何かの助けになりたい

菜穂子さんは、自分が筆談や詩作ができると
気づいてから、こう思ったそうです。
「こんな私でも、生きている」
そのことをわかってもらうことが、
悩んでいる人の、
何かの助けになるのではないか、と。

私も菜穂子さんのように
少しでも、誰かの役に立てたらいいなあと思うのです。

今までしてもらうばかりの人生だったかもしれません。
少しでも、返していかなければなりません。

死を迎えるときには、せめてしていただいたことと、
自分がしたこととが、半々になっていればいいなあ。
最後に菜穂子さんの詞をもう一編。

~ドアの向こう~
そのドアをあければ
けっして見ることのできないことがある
今、そのドアをあけよう

ではでは ニゴでした。

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