ラグビーワールドカップ
ラグビーワールドカップ、たけなわです。
今日はスポーツについて思ったことを。
「彼らがまたやった!」
令和元年9月28日(土曜日)、
静岡会場では日本対アイルランドの試合が行われました。
結果は12対19で、日本の大金星。
日本が世界ランキング第2位の強豪、
アイルランドを破るとは!
各国メディアは
「静岡ショック」
「尋常ではない番狂わせ」などと
驚きと称賛をもってこの結果を伝えました。
優勝候補筆頭のニュージーランドでは
「彼らがまたやった」と報道。
日本が前回のワールドカップで
南アフリカを破る大番狂わせを演じたことを
引き合いに、
「奇跡には続きがあった」と伝えています。
前回の日本の勝利は
「スポーツ界史上最大の番狂わせ」
と言われ、試合開催地を冠して、
「ブライトンの奇跡」と言われました。
そこから、
今回は「静岡ショック」と伝えられています。
ラグビー代表メンバーの出身地
ラグビーはとても懐の深いスポーツ
のように思えます。
というのは
日本代表メンバーの出身地を見ると、
トンガ、ニュージーランド、南アフリカ、
オーストラリア、韓国、サモア、
と様々な出身国の選手たちがいるからです。
まさにダイバーシティ(多様性)の体現です。
代表選考が国籍に縛られない
というのは、
今の不寛容の時代にあって、
希望の光に見えます。
違う国、別々の文化で育った選手たちが
自ら選んだジャージーを着て戦う。
そこには
偏狭な民族意識はみじんも感じられません。
共に戦う仲間と相手への敬意
このことを一番大切にしているのでしょう。
これだけでも、胸が熱くなります。
私たち日本語教師も
学生一人一人に対し敬意を示したいですね。
せっかく、
日本という国を選んで来てくれたのですから。
ミスターラグビー、平尾誠二
私がラグビーに興味を持ったのは
平尾誠二という、
ラグビー界のスーパースターがいたころです。
(とにかく素敵で、
ラグビーは全くわからなかったのですが、
彼を目当てに試合を見たりしました。
何とミーハーな・・・)
しかし
残念ながら平尾誠二さんは
2016年10月20日、
53歳の若さで永眠なさいました。
One for all , all for one
(注)「One for all , all for one」
(=一人はみんなのために、
みんなは一つの目的(勝利)のために)
日本ラグビー界でよく言われている言葉
これは
一人一人が
それぞれの役割をきちんと果たしながら、
チームが一つの目的に向かって機能し、
お互いをリスペクトしあい、信頼しあい、
フォローしていくという思想
を表しているそうです。
平尾さんは自分個人の考え方だとして、
「One for all , all for one」
について、こうも語っています。
平尾誠二のチームワークとは
チームワークという言葉の概念を日本人に聞くと、
たいていの人は「助け合い」と
きれいに回答する。美しく語る。
でも、僕は
チームというものは 実は
もっと凄まじいものだと思う。
一番素晴らしいチームワークは
個人が責任を果たすこと。それに尽きる。
そういう意識がないと、
本当の意味でのいいチームはできない。
助けられている奴がいるようなチームでは
勝てないのです。
「助けられている人」がいる
ということは
「助けている人」がいる
ということです。
その選手が
もっと自分のことに専念できたら、
さらにいい仕事ができる。
強いときのチームというのは
「助けたり、助けられたり」
している人は一人もいない。
どの選手も
プロフェッショナルとしての意識が
非常に高い。
貪欲に挑み続け、
できなかったら、そのことに対して
最大限の努力をしていく。
それが一人一人の選手が
持たなければいけない
チームワークとしての姿勢だと
僕は思っています。
平尾さんの
「One for all , all for one」
という思想をもとにした、
チームワークに対する想い。
プロとしての矜持を持ち、
リーダーとして
ずっとチームのことを考え続けてきた
彼だからこその
深い言葉だと思います。
その精神が
日本のラグビー界に
今も脈々と受け継がれていることに
胸打たれます。
ノーサイド(No side)
ラグビーの試合終了のことを
日本では「ノーサイド」と呼んでいます。
「No side」とはラグビー用語です。
試合が終われば
自陣と敵陣のサイドはなくなり、
勝った側(side)も
負けた側(side)も ない(No )
という意味だそうです。
つまり
試合が終われば
敵味方の区別に関係なく、
お互いの健闘を称えあう
フェアープレーに由来すると言われています。
ラグビーは
タックルやスクラムを見てもわかる通り、
激しくぶつかり合うスポーツです。
だからこそ
選手たちには
一層高いフェアープレー精神がないと
闘えないのでしょう。
海外では
試合終了のことを「フルタイム」
と言ったりするそうですが、
「ノーサイド」をあえて使う、
いいなあと思います。
アイルランド選手の素晴らしさ
9月28日の試合終了後、
アイルランドの選手たちは
試合には負けてしまったのにもかかわらず、
日本チームのために
ピッチに二列に並び、
花道を作ってくれました。
そして
日本選手を拍手で送りだしてくれたのです。
互いに健闘を称えあっている姿はとても美しかった。
これこそ
「ノーサイド」の精神
なのかもしれません。
不覚にも
泣きそうになりました。
タトゥーと文化
ラグビーの選手は
タトゥーをしている人が多いですね。
日本とは
タトゥーに対する考え方、文化が違うからです。
ニュージーランド、マオリ族のタトゥー文化
ワールドカップ最多優勝を誇る
ニュージーランド代表の
「オールブラックス」
彼らはニュージーランドの先住民族、
マオリ族の伝統的な「ハカ」を舞うことでも有名です。
そのマオリ族の人々にとって
タトゥー文化は神聖なもので、
以前はタトゥーを入れることが
伝統的な通過儀礼だったそうです。
背広を着用しているニュージーランドの選手たち
この暑い中、
ニュージーランドの選手は
よく長袖の背広を着ています。
(タトゥーが見えないようにという配慮です)
アーロン選手は
「私たちは日本にいるのですから、
日本の文化を尊重すべきです」
と語っていました。
さらっと自然に
こういう言葉が出るとは
人として どれだけ立派なのだろう
と、ぐうの音も出ませんでした。
私たちも
世界から来てくれる方たちと
共に歩む仕事をしています。
彼らのように
寛容で、懐の深い人間になりたい!と
心の底から強く強く思います。
いざこざの多い現実世界、
世界が平和へと向かうように
一歩でもいい、努力していきたいですね。
ではではニゴでした。
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