頑張っていそうに、勉強しています。
頑張っていそうに、勉強しています。
学生から、
「ジョンさんは、頑張っていそうに、勉強しています。」
この文はいいですか?という質問を受けました。
変ではあるとすぐにわかりますが、どうやって説明しましょうか。
「イ・ナ形容詞+そうです」の意味
まず、「~そうです」の意味・文法を思い出してみましょう。
「イ・ナ形容詞+そうです」
「動詞+そうです」
「~そうです」は、目で見て、その様子を直感的に述べる表現です。
「動詞+そうです」の意味
学生の質問は「動詞+そうです」のほうですね。
「動詞+そうです」には 二つの意味がありました
(1)雨が降りそうです。
これは「イ・ナ形容詞+そうです」と同じで、
目で見て、その様子を直感的に述べる表現です。
(2)今年はこのデザインがはやりそうだ。
これは、その外観から、将来どうなるかを述べています。
将来を予想する表現でした。
「動詞+そうです」の文法
「動詞+そうです」は、
次の展開を予想する表現ですから、
動きや変化を示す動詞に使います。
話し手の意志を表す動詞には、使えません。
(3)×この単語は、すぐに覚えそうだ。
(4)○この単語は、すぐに覚えられそうだ。
「ジョンさんは、頑張っていそうに、勉強しています。」
では、学生の使った「頑張っている」はどうでしょうか。
「頑張る」は、意志動詞ですが、変化も表しますから、使えます。
・ジョンさんは 頑張りそうだ。
ジョンさんの張り切っている姿が、目に浮かびますね。
では、「頑張っている」はどうでしょうか。
「~ている」がついているので、状態を表していますから、
形容詞に近くなっています。
「イ・ナ形容詞+そうです」の注意点
(5)×このケーキは、きれいそうです。
(6)×ジョンさんは、背が高そうです。
見て、すぐわかるものには、「~そうです」は使えませんでした。
でも、これが写真だった場合は、どうでしょうか。
ジョンさんの背の高さは、わかりません。そこで、
(6)○ジョンさんは、背が高そうです。
が言えるようになります。
・ジョンさんは 頑張っていそうです。
これも、遠くからジョンさんを見て、
何か、一生懸命書いている。
真面目な顔をしている。
頭をかきむしっている
などなど、ジョンさんの様子を見て、言えますね。
「頑張っていそうに、勉強しています」は、なぜ非文か
×「ジョンさんは、頑張っていそうに、勉強しています。」
では、なぜこれは、非文なのでしょうか。
遠くから、ジョンさんを見ているとき、
何をしているか、わかりますか?
勉強しているとは、わからないはずです。
勉強しているとわかるのは、かなりの近距離です。
となると、頑張っているのか、いないのか、
目で見て、判断できるはずです。
ですから、
「ジョンさんは 頑張って勉強している。」
と言った方がいいですね。
学生から、質問が出たとき、
非文だとは分かるが、どうしてだろうと思ったら、
こんな風に考えてみると、
答えが見つかりやすくなります。
「イ・ナ形容詞+そうです」
「動詞+そうです」
の文法を、もっと詳しく知りたい方は、
こちらをご覧ください。
ではでは ニゴでした。