閑古鳥と鳩時計

閑古鳥が鳴く

「閑古鳥(かんこどり)が鳴く」とは、
「このレストラン、閑古鳥が鳴いているね。潰れちゃうんじゃないの・・・」

のように、お客さんが全くいなくて、さびれている様子を表しています。

閑古鳥とは?

では、閑古鳥とは、鳩? すずめ?

古語に子鳥・子鳥という季語があります。
(ちなみに、喚とは、呼ぶという意味があります)

昔の人は、かっこうの鳴き声が、人を呼んでいるようだと、思ったのでしょう。
呼子鳥とは、かっこうのことです。

そして、かっこうの鳴き声は、物寂しいとも感じたのでしょう。

呼子鳥 → 喚子鳥 → 閑古鳥  

と変わっていきました。

かっこう

かっこう

閑古鳥と鳩時計

閑古鳥とは、かっこうのこと。
では、鳩時計と何の関係があるの?  
と思われますよね。

鳩時計

鳩時計

鳩時計 発祥の地

鳩時計発祥の地は ドイツです。
ドイツ南西部、スイスとの国境に近い、シュヴァルツヴァルト地方の
おもりで動かす、木製の振り子時計が 始まりだと言われています。
(200年前から作られています)

実はドイツでは、「かっこう時計」とも言います。

なぜなら、時計の鳥は、「鳩」ではなく、「かっこう」だからです。

初め、ドイツの職人さんは、鶏の声を出そうと苦労されたそうです。
でも、「にわとり」の鳴き声は、複雑すぎたのです。

そこで、二つの音階ですむ、「かっこう」に変更となりました。

これが、「かっこう時計」と言われるゆえんです。

閑古鳥と鳩時計

「かっこう時計」が日本に入ってきたときです。
漢字で書くと、「閑古鳥時計」となってしまいます。

さびれた様子を表す、閑古鳥(が鳴く)
そんな時計では、売れるわけがありせん。

そこで、とある会社が昭和24年、
平和の象徴でもある、鳩に変え、
「鳩時計」と銘打って売り出したのです。

いわば、「鳩時計」と名を変えたのは、
時計会社の戦略だったのですね。

芭蕉の句

閑古鳥をつかった、芭蕉の有名な句に

「憂きわれをさびしがらせよ閑古鳥」

があります。

落柿舎

落柿舎


元禄(げんろく)四年(1691年)四月二十二日、
京都嵯峨(さが)の去来の別荘、落柿舎(らくししや)での句。
「閑古鳥」は「かっこう」のこと。初夏のころ山深いところで鳴く。
季語は「閑古鳥」で、季節は夏。

「閑古鳥よ、その寂しい鳴き声で
世をつらく思う孤独な私を寂しがらせてくれ。
その寂しさの中に浸りたいのだ。」

ではでは ニゴでした。

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